相撲を観戦していると、土俵に上がる関取のすぐそばで動く若い力士たちを目にすることがあります。
彼らは「付き人(つきびと)」と呼ばれ、先輩力士の身の回りの世話をする大切な役割を担っています。
この記事では、付き人の基本情報、仕事内容や給料についても詳しく解説します。
「付き人」ってなに?
「付き人」とは、関取(十両以上の力士)の日常生活の世話をする力士のことです。
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幕下以下の複数の力士が付き人として1人の関取に付きます。
付き人は関取の荷物持ちや買い物など身の回りの世話だけでなく、観客や報道陣からの警備、取組前に稽古相手などを務めます。
ちなみに、荷物は明け荷に入れて運びます。

十両→平幕→三役→大関→横綱と番付が上がるにしたがって付き人の人数は増えていきます。
付き人の人数は十両で2~3人、幕内で3~4人、横綱は10人くらいであることが多いです。
付き人の人数が足りない部屋は同じ一門の部屋から借りて来るそうです。
付き人の仕事内容
付き人の仕事は多岐にわたります。
日常生活での役割
- 起床・朝稽古の準備
- 食事(ちゃんこ)の用意、配膳、片付け
- まわし・浴衣など衣類の管理や洗濯
- 関取の買い物や外出の付き添い
本場所・巡業時
- 国技館や巡業先への荷物運び
- 髪結いの時間管理、移動手配
- トイレや着替えのサポート
- マス席・支度部屋での関取のサポート
これらは日々異なり、気遣いや機転が求められます。
付き人の給料・お金事情は?
相撲部屋の力士には、「給与制度」と「手当制度」がありますが、付き人(下位力士)には基本給はありません。
所属力士の階級別給与(参考)
- 横綱:約300万円/月
- 大関:約250万円/月
- 十両:約110万円/月
- 幕下以下:給料なし
付き人の多くは三段目以下で、給与は出ません。その代わりに支給されるのが以下のような「力士手当」や「付け人手当」です。
付き人の収入源
- 付け人手当(関取からのお礼やお小遣い):月1〜3万円程度
- 勝ち越し・巡業での特別手当
- 親方や後援者からの支援
つまり、付き人としての金銭的報酬はあくまで「お礼」の性質が強く、生活は相撲部屋に住み込みでまかなわれているというのが実情です。
付き人から見える相撲の世界のリアル
付き人生活は長時間労働で体力も精神力も必要ですが、そのぶん多くのことを学べます。
- 関取の稽古や生活態度を間近で見られる
- 礼儀・マナー・心構えが身につく
- 信頼関係や人脈ができる
また、かつて付き人だった力士が出世し、将来の付き人に良い待遇を与えるという伝統もあります。「自分がされたことを、次の世代に返す」——それが相撲の美徳でもあります。
まとめ|付き人は力士としての土台を築く経験
付き人制度は一見地味で過酷に見えますが、実際は力士として、人間として成長するための重要なステップです。
トイレの付き添いや給料の実情など、なかなか表に出ないリアルな側面も、相撲の奥深さを物語っています。
相撲観戦をするときは、ぜひ土俵の外にいる付き人の姿にも注目してみてください。
以上、『相撲の「付き人」ってなに?給料や仕事内容を解説!』でした。
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